ここが変だよ、DSM-5,性別違和の日本語訳2. gender

最初に驚いたのは、病名「gender dysphoria」が「性別違和」と訳されたのに、診断基準では、genderを「ジェンダー」と訳したことである。
「性別」か「ジェンダー」かどっちに訳すかは悩みどころだが。
両方に訳すとは。
さらに驚くのは詳細な解説の本文中でも「ジェンダー」と訳したり「性別」と訳したり一定しない。
一体どう使い分けてているのだろうか。


事態が深刻なのは。
DSM-5では、たくさんの新概念が出現する。
それは最初のページに丁寧に説明されている。
しかし、日本語訳は、その後、最初の訳語とは違う訳語を当てていたりするので、すでに説明された概念とは分からないまま、突如本文中に謎の新語として登場し、意味不明となる。


たとえば、最初のページで「gender-nonconforming」が登場する、
これも訳語は悩ましいものであるが、最初は「ジェンダーに整合しない」と訳している。
それはそれでいいとして。
450pでは「nonconfomity to gender role」を「性別役割との不調和」と全然別語に翻訳している。同じnonconformであることが不明となる。


あるいは、お馴染み「gender reassignment」を最初のページで「ジェンダーの再指定」と訳しているのに、
447pでは「性別の再適合」と訳している。
突然、性別の再適合などと言われも意味がわからない。
無茶苦茶である。