「子どもの教養の育て方」を読んだ。
井戸まさえ氏は、今回の選挙で落選したが、国会議員の間は、FTMの嫡出子問題に熱心に取り組んでいた人。
佐藤優氏は、東京駅の新幹線乗り場で目撃したことがあるが。
そんなことはともかく。
まあ面白い本ではあったが。
佐藤優の中学入試に関する発言は、正直驚いた。
P106
>受験に合格したいのであれば、中学受験の技法は非常に簡潔なんです。つまり小学校で勉強していることのこぼれがないようにすればいい。おそらくいちばん難しいといわれている灘中にしても、中学1年生の秋までの知識があれば合格できるでしょう。だから半年早いだけです。わずか半年の時差なんです。
この人、中学入試の特殊さがまったく分かっていない。
灘中の入試問題は、中学の学習課程を終えてもとけっこない。
大学入試レベルの問題が解けてもとけない。
おそらくの灘の生徒ですら、中2になったころには、半分くらいの生徒しか合格点がとれなくなってるだろう。
勉強がもともと得意な子供に、特殊な訓練を施して、ようやく解けるのが中学入試の世界である。特に算数は。
なのに、何の根拠があって、自信満々に佐藤氏は中学入試について語っているのだろうか。
正直なところ、このひとは、主観のかなり入った根拠の乏しい推測を、さも客観的事実かのように断言してしまう癖があるのではないかと心配になった。
井戸まさえさんは、よくいえば聞き上手に佐藤優氏から話を聞きだしているが、悪く言えばツッコミが足りない。
佐藤氏の観念的子育て論を、5人育てた経験から論破する場面があってもよかったと思う。
- 作者: 佐藤優,井戸まさえ
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
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