性犯罪:再犯防止効果を実証

各社の見出しだと効果があったのかないのかよくわからないが・・・・。
感想。


・刑務所の統計は、なぜ、保護観察所と同様に、導入前のものと比較しなかったのか?プログラムを受けれたものと受けられなかったものでは、そもそも違いがありそう。


・プログラムの効果が性犯罪に限らず、全犯罪の再犯低下につながるのは、海外の先行研究と合致。


・刑務所よりプログラムの密度のうすい保護観察所の方が、効果がはっきりしている。プログラムは軽症のものにほど、効果が出るので、罪の軽い保護観察所対象者の方が、効果がでやすいのだろう。


>性犯罪:再犯防止効果を実証
毎日新聞 2012年12月23日 東京朝刊


 法務省は、性犯罪の受刑者や保護観察対象者に実施している「認知行動療法」を用いた再犯防止処遇プログラムの効果が国内で初めて実証されたと発表した。受講者組が非受講者組に比べ、再犯率が低かったという。

 刑務所では06年5月からプログラムを実施。検証は、07〜11年に出所した性犯罪受刑者(受講者1198人、非受講者949人)で3年以内で再犯(全犯罪)に至った人の割合を調べた。その結果、受講者は21・9%で非受講者の29・6%より、約8ポイント低かった。

 保護観察所も06年9月から保護観察対象者にプログラムを開始。導入前の非受講者410人と導入後の受講者3838人について、07年9月〜11年12月の間に再犯(同)した人の割合を調べた。このうち、保護観察付きの執行猶予判決が確定した人では、受講者が非受講者を13・6ポイント下回った。刑務所から仮釈放されて保護観察を受けた人でも受講者が非受講者に比べ7・4ポイント低かった。
http://mainichi.jp/select/news/20121223ddm041040109000c.html


サンケイ
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/121222/trl12122210130001-n1.htm
性犯罪、再犯防止に処遇プログラム効果 受講で4分の3に減少
2012.12.22 10:12 (1/2ページ)
 法務省は21日、性犯罪者の再犯防止策として刑務所が取り入れている処遇プログラムの効果を分析した初の調査結果を公表した。受けなかった受刑者に比べ受講者の再犯率は4分の3程度で、同省は「一定の効果があった」と評価。カウンセラーの増員など一層の取り組みが求められそうだ。



 調査は平成19年7月〜23年12月に刑務所を出た性犯罪者2147人のうち、プログラムを受けた1198人と、集団行動に適応できないなどの理由で受けなかった949人について出所後3年間の再犯率を比較。

 調査結果によると、非受講者が性犯罪以外の罪も含め再び摘発された割合は29・6%だったのに対し、受講者では21・9%。同省は「再犯抑止効果が実証できた」としている。一方、性犯罪での再犯に限ると、受講者は12・8%と非受講者の15・4%に比べてやや低いものの「効果について統計的に実証できなかった」(同省)という。


 性犯罪で執行猶予判決を受けて保護観察の対象になり、保護観察所でプログラムを受けた1310人も調査。保護観察後4年間の再犯率は22%で、プログラムが導入前に保護観察付き執行猶予判決を受けた125人の再犯率(35・6%)に比べ、約4割低かった。



【用語解説】性犯罪者処遇プログラム 平成16年に起きた奈良県の女児誘拐殺人事件をきっかけに、18年から一部の刑務所と全国の保護観察所に導入された。思考方法の問題点を自覚することにより行動を自制させる「認知行動療法」に基づき、集団で意見を述べ合うグループワークが中心。正当な理由がなく受講を拒否すると、懲罰や執行猶予取り消しの対象になる可能性がある。


http://www.nikkei.com/article/DGXNAS2CR2N01_R21C12A2CR8000/
日本経済新聞
性犯罪矯正教育「一定の効果」 法務省調査
2012/12/21 20:37

 法務省は21日、性犯罪者の再犯防止策として刑務所で行っている「性犯罪者処遇プログラム」の効果について初の調査結果を公表した。受講しなかった受刑者に比べ、受講者の再犯率は4分の3程度で、「一定の抑止効果がある」と評価した。

 調査結果によると、非受講者が性犯罪以外の罪も含め再び摘発された割合が29.6%だったのに対し、受講者は21.9%。罪種別では強姦罪が19.4%に対し11.9%、強制わいせつ罪は27.9%に対し22.6%だった。

 プログラムは、強姦や強制わいせつに加え下着の窃盗罪などで服役中の受刑者のうち、再犯の可能性が高い人に対し、原則3〜8カ月間、グループ学習で動機について議論するなどして再犯防止につなげる取り組み。

 調査は2007年7月〜11年12月までに出所した受刑者2147人のうち、受講者1198人と、集団行動への適応が難しいなどの理由で受講しなかった949人を対象に、出所後約3年間の再犯率を比較した。


http://www3.nhk.or.jp/news/html/20121222/k10014368551000.html
NHK
ニュース詳細
性犯罪再犯防止プログラム改善検討へ
12月22日 4時55分
性犯罪の再犯を防ぐため、全国の刑務所で行われている受刑者への教育プログラムの効果を検証したところ、性犯罪の再犯防止については、効果が認められなかったことが分かり、法務省は、プログラムの改善を検討することになりました。

性犯罪の再犯を防ぐため、全国19か所の刑務所では、受刑者が、グループ討議や臨床心理士などのアドバイスを通じて改善を行う教育プログラムを6年前から行っています。
その効果を検証するため、法務省は、去年12月までに出所した受刑者2100人余りを対象に追跡調査を行いました。
それによりますと、性犯罪についての再犯率は、プログラムを受講した人が12.8%と、受講していない人より2ポイント程度しか低くなく、効果が認められなかったということです。
一方で、すべての犯罪についての再犯率は、受講した人が21.9%と、受講していない人より7ポイント余り低くなり、効果が認められたということです。
法務省成人矯正課の宮田祐良企画官は「性犯罪の再犯防止について、今後は、受刑者ごとの事情に合った教育ができるようプログラムの精度を高めていきたい」と話しています。