性同一性障害や同性愛など「セクシュアルマイノリティ」を理解する週間、国などの後援受け初開催/神奈川

http://news.kanaloco.jp/localnews/article/1005240004/
神奈川新聞

性同一性障害や同性愛など「セクシュアルマイノリティ」を理解する週間、国などの後援受け初開催/神奈川
2010年5月24日
 体と心の性が一致しない性同一性障害や同性愛など性的少数者のことを広く知ってもらおうと、当事者団体などが企画した「セクシュアルマイノリティを正しく理解する週間」が23日終わった。16日からの期間中、横浜市内をはじめ各地でイベントを展開。内閣府子ども若者・子育て施策総合推進室、法務省人権擁護局の後援で行われた初の試みに、主催者は「国の協力が得られたのは画期的。性的少数者への理解の第一歩になった」と振り返った。

 主催したのは、横浜市内で活動する支援団体「横浜Cruiseネットワーク」(星野慎二代表)と都内のNPO法人。1990年5月17日、世界保健機関(WHO)が同性愛を「精神疾患リスト」から削除したのを記念し、この日を含む「週間」を設定した。

 17日から3日間の電話相談、涙ながらに語ったのは80代の女性だった。「生まれて初めて、自分が同性愛だと打ち明けることができた」

 社会ばかりか家族からも理解されない。居場所がない。同性婚を認めてほしい。寄せられた声が、抱えた生きづらさを映し出していた。

 21日には明治学院大学(東京都港区)でシンポジウムが開かれ、福島瑞穂内閣府特命担当相が出席した。「性同一性障害の受診者の約66%が自殺を考えたことがあり、約14%が自殺未遂経験者」という精神科医によるアンケート結果が公表され、福島担当相は「多様な生き方を認め、差別や偏見のない社会の実現のため、法整備の検討など行政も全力で取り組んでいく」と話した。

 横浜市内では、横浜Cruiseネットワークなどが運営する交流施設「かながわレインボーセンターSHIP」(同市神奈川区)で性的少数者の交流会が行われ、32人が参加した。星野代表は「彼ら、彼女らの多くが家族や親しい友人にも打ち明けられず、孤独を抱えている。深刻なのは学校現場での無理解。行政の姿勢の変化を幅広い理解につなげていかなければ」と話し、継続的な取り組みの必要性を強調していた。