性同一性障害内定取り消し訴訟:会社側争う姿勢 /静岡

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性同一性障害内定取り消し訴訟:会社側争う姿勢 /静岡
 性同一性障害GID)を理由にした就職の内定取り消しは違法だとして、男性として生活している静岡市内の女性(33)が、同市の広告デザイン会社を相手取り、約198万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が14日、静岡地裁(竹内民生裁判官)であり、会社側は争う姿勢を示した。会社側は答弁書で「内定取り消しは、GIDが理由ではなく、女性の父親が書くべき身元保証書を自分で書くなど、女性の信頼性に疑問が生じたため」などと主張した。
 訴えでは、女性は昨年8月、インターネットの求人募集で同社を知り就職を希望。社長と面談するなどし一度は就職が決まったが、同9月、GIDについて打ち明けると、内定を取り消された。

 女性は同10月、「GIDを理由にした内定取り消しは違法」として、損害賠償を求めて労働審判を同地裁に申し立てた。地裁は同社が女性に50万円を支払うとの審判を下したが、双方ともに拒否し、本訴訟に移行した。【浜中慎哉】
毎日新聞 2008年2月15日


2008.2.14 読売
性同一性障害で採用撤回」 33歳が賠償提訴、会社は反論=静岡

 性同一性障害を理由に雇用契約を取り消されたとして、静岡市駿河区の女性(33)が同区の広告デザイン会社「アドテクニカ」を相手取り、約200万円の損害賠償を求める労働審判静岡地裁に申し立て、訴訟に移行したことが13日、わかった。審判では昨年12月、会社側に50万円の損害賠償を命じる決定が出て、双方が異議を申し立てた。
 代理人などによると、性同一性障害と診断された女性は、2004年からホルモン治療を始め、05年から通称を男性名に変更した。昨年8月22日、同社の面接を経て採用決定の電話を受け、東京都内から引っ越した。会社に必要書類を提出した同9月20日、身元保証人欄に父親に代わって記入し、年金手帳と性別が異なることを告げた。翌21日、内定が取り消された。
 女性は、引っ越し費用や3か月分の賃金など約100万円を会社側に請求したが、認められなかった。
 同社は、女性が身元保証人の署名を代筆していたことや、年金手帳記載の性別を尋ねた際、「役所の手続きミスです」などと虚偽の説明をしたことを挙げ、「順法精神などを考慮し、営業には向いていないと考えた。性同一性障害は関係ない」としている。
[読売新聞 ]