性同一性障害:立命大大学院生、手術ミスの病院提訴 3323万円損賠求め /京都

http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/kyoto/news/20070401ddlk26040331000c.html
性同一性障害立命大大学院生、手術ミスの病院提訴 3323万円損賠求め /京都
 大阪医科大病院(大阪府高槻市)で性同一性障害GID)と診断され、乳房切除手術を受けた立命館大の大学院生、ヨシノユギさん(24)=京都市=が、手術ミスで皮膚が壊死し、医師の連携不足で必要な精神的支援も受けられなかったとして、同医科大に3323万円の損害賠償を求める訴訟を30日、京都地裁に起こした。原告側によると、GID日本精神神経学会の診断・治療指針に沿って専門外来を設けた病院での乳房切除手術を巡る訴訟は初めて。
 訴状によると、ヨシノさんは02年から同病院のGID外来に通院して精神科治療を受け、03年夏にGIDと診断された。06年5月20日に手術を受けたが、6月12日に縫合部の壊死を告げられた。
 ヨシノさんは、▽執刀医が技量経験不足で皮膚のはく離範囲を広く取り過ぎたり、縫合で十分な血流確保をしなかったなどの過失があった▽壊死の危険性は手術前に何度尋ねても否定するなど、説明義務違反があった▽術後間もなく壊死の兆候を訴えても否定し、適切な処置も精神科への連絡も怠り、指針で定められたチーム医療が機能せず、精神的苦痛を受けた−−などと訴えている。
 提訴後に記者会見したヨシノさんは「指針に沿った専門外来の看板を掲げながら、その治療を提供しない責任は重い。ミスへの一切の謝罪もなく、不誠実」と話した。大阪医科大病院は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。【太田裕之】
毎日新聞 2007年4月1日