「子がいても性別変更を」 兵庫と奈良の男性が申し立て

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200611130012.html
朝日新聞関西 2006年11月13日


「子がいても性別変更を」 兵庫と奈良の男性が申し立て


 心と体の性が一致しない性同一性障害GID)の男性2人が13日、戸籍上の性の変更を神戸家裁尼崎支部奈良家裁にそれぞれ申し立てた。2人はかつて 結婚をしており、子どもがいるが、「性同一性障害特例法」は、子どもがいる場合の性別変更を認めていない。2人は会見などで、「子どもがいるという理由で 性別変更が認められないのはおかしい。同法が定める、施行3年後の見直しを前に、議論を深めたいと思った」などと話した。
 申し立てをしたのは、兵庫県尼崎市の会社員、大迫真実さん(51)と、奈良県生駒市のパート従業員、森村さやかさん(46)=いずれも通称。2人はGID治療の一環として性転換手術を受けている。
 04年に施行された同法は、戸籍上の性別変更に(1)20歳以上(2)独身(3)子がいない(4)生殖機能がない(5)性別変更後にあわせた性器の外観がある――の5条件を定めている。
 大島俊之・神戸学院大法科大学院教授(民法)は「子どもがいないことを、性別変更の条件に挙げる国は、日本以外に聞かない。必要のない条件によって苦しむ人がいる現状を、国は理解する必要がある」と話す。
 大迫さんは81年に結婚。8年後に娘が生まれた。3年前に離婚したが、娘とは今でも月に数回会う。長い髪の父親を、娘は今も「お父さん」 と呼び、洋服の話をよくする。大迫さんは「外見上の変化も含め、娘なりに時間をかけて理解してくれたのだと思う。法が想定する子どもの動揺はない」と話 す。
 森村さんは89年に「結婚で男の感情を持てるようになるのでは」と結婚したが、男を演じ続けられない、と離婚した。外見は女性なのにあらゆる書類が男性になっているため、例えば病院窓口で健康保険証を見た職員から「ご主人の保険証か」と言われるなど、日常生活で苦痛を感じているという。


http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=YNS&PG=STORY&NGID=soci&NWID=2006111301000144
共同通信
女性への戸籍変更申し立て 性同一性障害の男性2人


 心と体の性が一致しない性同一性障害GID)と診断された46歳と51歳の男性2人が13日、戸籍の性別を女性に変更するよう、奈良家裁神戸家裁尼崎支部にそれぞれ申し立てた。
 2人はいずれも女性と結婚、子どもをもうけた後、離婚した。性同一性障害特例法は「現在、子どもがいないこと」などを性別変更の条件としており、2人は対象外。来年、特例法の対象となる範囲が見直される予定で、2人の訴えは法改正論議に影響を与えそうだ。
 申し立てた奈良県生駒市派遣社員、通称森村さやかさん(46)は「健康保険証を見せる度に苦痛を感じ、病院に行くことさえためらう。住む、医療を受けるなど最低限の社会生活ができないことを訴えたい」と話した。
 兵庫県尼崎市の会社員、通称大迫真実さん(51)も「法律は子どもの利益に配慮したとされるが、離婚し、子どもの親権もない状態で、父親の性別が変わらないことによる子どもの利益とは何でしょうか」と訴えた。
 現行法で戸籍の性別変更が認められるのは(1)2人以上の医師がGIDと診断(2)20歳以上(3)現在結婚していない(4)現在子どもがいない−などの条件を満たした場合のみに限定されている。

http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000165808.shtml
神戸新聞
性同一性障害、性別変更求め申し立て 尼崎の男性ら
2006/11/13



 心と体の性が一致しない性同一性障害GID)と診断された尼崎市の会社員大迫真実(まさみ)さん(51)と、奈良県生駒市派遣社員の森村さやかさん(46)=いずれも通称=が十三日、戸籍の性別を女性に変更するよう、神戸家裁尼崎支部奈良家裁にそれぞれ申し立てた。

 二人とも女性と結婚、子どもをもうけた後、離婚した。性同一性障害特例法は「現在、子どもがいない」ことを性別変更の条件としており、二人は特例法の対象外。対象者の範囲については来年見直される予定で、二人の訴えは法改正論議にも影響を与えそうだ。

 申立書などによると、大迫さんは幼少のころから男性である自分に違和感を抱き始めたという。一九八一年に結婚、一児をもうけたものの、違和感は消えず、二〇〇三年に離婚。同年七月に性同一性障害との診断を受け、〇五年には海外で性別適合手術を受けた。森村さんも今年一月、手術を受けた。

 現行法では戸籍の性別変更は(1)二人以上の医師が性同一性障害と診断(2)二十歳以上(3)現在結婚していない(4)現在子どもがいない-などの条件を満たす必要がある。

 GID学会によると、〇四年七月の特例法の施行後、〇五年末までの性別変更の申立件数は三百七十三件。うち三百二十六件が認められた。子どもがいる場合はいずれも却下されているという。

 大迫さんは会見で「却下の可能性が高いことは分かるが、同じ悩みを持つ人にも訴え、法改正につなげたい」としている。


http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000165801.shtml


「本当の自分認めて」 法改正を訴え
2006/11/13



 「行動しないと、道は開かれない」-。性同一性障害GID)と診断された男性二人が十三日、神戸家庭裁判所尼崎支部などに申し立てた戸籍の性別変更。二〇〇四年施行の性同一性障害特例法では、未婚で子どもがいないことを戸籍変更の条件としており、現段階で二人の申し立てが認められる可能性は極めて低いとみられる。尼崎市内で会見した会社員の通称大迫真実(まさみ)さん(51)=同市大庄北=は「子どもがいるという過去は変えられない。本当の自分が認められるよう、法を見直してほしい」と訴えた。

 大迫さんは午前九時、神戸家裁尼崎支部に性別変更の申立書を提出。その後、GID学会理事長で神戸学院大法科大学院の大島俊之教授とともに記者会見に臨んだ。

 幼いころから自分の性別に違和感を抱いていた。一九八一年に女性と結婚、娘一人をもうけた後も、悩みは解決しなかったという。

 九七年ごろ、性別転換手術を知り、性を変えようと決断。離婚後、〇三年に岡山大で性同一性障害と診断され、〇五年に性転換手術を受けた。

 「子どもの利益のため父親は戸籍上、男性のままにしておくべき」とする法務省の見解に、「子どもとは別居しており、親権もない。(戸籍上の性に対する違和感は)私自身の努力ではどうしようもない」と反論する。

 大迫さんは、職場でも自身の障害について明らかにし、女性の容姿で働いている。しかし「戸籍上は男性なので、健康保険証やパスポートも男性と表記され、不便な思いをしている」という。

 特例法は、施行後三年をめどに改正も検討すると規定。同席した大島教授は「欧米諸国に比べ、日本の条件は厳しい。特例法ができても、こうした悩みを持つ人がいることを知ってほしい」と話した。(飯田 憲)


http://osaka.yomiuri.co.jp/news/20061113p401.htm
性同一性障害2人が戸籍性別変更申し立て…奈良と兵庫

 心と体の性が一致しない性同一性障害GID)と診断された奈良県生駒市の派遣会社員(46)と、兵庫県尼崎市の会社員(51)の男性2人が13日、戸籍の性別を女性に変更するよう、それぞれ奈良家裁神戸家裁尼崎支部に申し立てた。性同一性障害者性別特例法では「子がいない」ことを性別変更の条件にしているが、2人はともに離婚した妻との間に子供がおり「法改正のきっかけにしたい」と訴えている。

 派遣会社員は28歳で結婚し、約10年後に離婚。2002年にGIDと診断され、今年1月、性別適合手術を受けた。ふだんは女性名を使っており「保険証やパスポートなど公的な書類を出すたびに(GIDだと)説明をしなければならず、苦痛だ」と述べた。

 会社員は1981年に結婚し、約20年後に離婚、直後にGIDとされた。昨年、性別適合手術を受けており、この日、会見して「公的書類で男性と知られたりすると、精神的苦痛が大きい」と主張。同席した性同一性障害学会の大島俊之理事長は「性別変更要件の見直しを実現したい」と語った。
(2006年11月13日 読売新聞)


http://www.news24.jp/71053.html
日本テレビ
性同一性障害の男性2人 戸籍変更申し立て<11/13 15:04>

 心と体の性が一致しない性同一性障害と診断され、子供がいる2人の男性が13日、戸籍の性別を女性に変更するよう、それぞれ兵庫と奈良の家庭裁判所に申し立てた。

 神戸家裁尼崎支部で13日に申し立てを行ったのは戸籍上は男性で、性同一性障害と診断されている大迫真実さん(仮名、51)。

 大迫さんは以前、離婚した配偶者との間に子供をもうけているが、現在の特例法では、戸籍の性を書き換えられるのは、結婚しておらず、子供がいない場合などに限られている。そのため戸籍の変更が認められず、法律の見直しを呼びかけている。

 奈良県でも「生きていくための権利が与えられていない」と同様の申し立てが行われた。

 特例法の対象範囲は、来年、見直される予定で、今後の法改正について論議を呼びそうだ。


http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20061114k0000m040033000c.html
性同一性障害:男性2人が「女性」に性別変更申し立て
 心と体の性が一致しない性同一性障害GID)と診断された男性2人が13日、戸籍上の性別を女性に変更するよう求めて、それぞれ神戸家裁尼崎支部奈良家裁に申し立てた。2人はいずれも女性と結婚、子どもをもうけた後、離婚した。GID特例法(04年7月施行)は、子どもがいないことを性別変更の条件にしており、2人や支援者は「GIDの置かれた現状に適しておらず、特例法の改正につなげたい」と訴えている。
 兵庫県尼崎市の会社員、大迫真実(まさみ)さん(51)と奈良県生駒市派遣社員、森村さやかさん(46)=いずれも通称。
 特例法は▽20歳以上▽現在、婚姻していない▽子どもがいない−−などを性別変更の条件にしている。付則には施行3年後の見直し規定が盛り込まれている。GID学会によると、GIDは国内に数千人から数万人いるとされ、30代後半から50代の人には子どもがいるケースも多いという。
 大迫さんは「性のあり方はいろいろ。興味本位ではなく、ありのままの私を見ていただきたい」と記者会見で公表した理由を語った。森村さんは「心も体も女性なのに、書類上は男性。家や仕事を探すたびに、説明するのはしんどい。全国で同じような申し立てが増えて、大きな流れになればいいと思う」と話した。【井上大作、高瀬浩平】
毎日新聞 2006年11月13日 18時28分


http://mdn.mainichi-msn.co.jp/national/news/20061113p2a00m0na029000c.html
2 people suffering from gender disorder ask courts to recognize them as women
Two people who are legally men and are suffering from gender identity disorder asked courts on Monday to recognize them as women.
A 51-year-old resident of Amagasaki, Hyogo Prefecture, and a 46-year-old from Ikoma, Nara Prefecture, filed their petitions with the Amagasaki branch of the Kobe Family Court and the Nara Family Court, respectively. They go by the names of Masami Osako, 51, and Sayaka Morimoto, 46.
They divorced after marrying women and having children. The law regarding gender identity disorder allows patients to change their gender on condition that they are aged 20 or over, that they are single and that they have no children. (Mainichi)
November 13, 2006


http://www.sankei.co.jp/news/061113/sha009.htm
サンケイ
女性への戸籍変更申し立て 子供いる性同一性障害の男性

≪特例法の対象外≫
 心と体の性が一致しない性同一性障害GID)と診断された40代と50代の男性2人が13日、戸籍の性別を女性に変更するよう求める申し立てを奈良家裁神戸家裁尼崎支部に起こした。2人はともに結婚して子供をもうけた後に離婚しており、「子がいないこと」を性別変更の条件と定める性同一性障害特例法の対象外。申し立ては却下される可能性が高いが、来年以降の法改正論議に一石を投じそうだ。
 申し立てをしたのは、奈良県生駒市派遣社員で通称、森村さやかさん(46)と、兵庫県尼崎市の会社員で通称、大迫真実さん(51)。
 平成16年7月施行の特例法は、身体的特徴も含め親の性別が変わるのを間近にする子供の心理に配慮し、「子がいないこと」を性別変更の条件としている。しかし、2人はともに離婚。森村さんは「子供と会っておらず、ショックを受けることはありえない」、大迫さんは定期的に高校生の娘と面会し、「親として受け入れてくれている」と訴えている。
 専門家の推計では、GIDの日本人は全国で数千人から数万人おり、うち子供を持つのは7〜10%とされる。
(11/13 17:51)


TBS
http://news.tbs.co.jp/part_news/part_news3423725.html
性同一性障害の2人が戸籍変更申し立て
性同一性障害と診断された男性が、戸籍の性別変更を申し立てました。
 戸籍の性別変更を申し立てたのは、奈良県生駒市派遣社員・森村さやかさん(46)です。

 森村さんは、男性として結婚し、子供をもうけた後、離婚。心と体の性が一致しない性同一性障害と診断され、性別適合手術も受けましたが、戸籍上は男性のため、就職や日常生活などで不便を強いられているといいます。

 しかし、2年前に施行された性同一性障害特例法では「未婚で子がいない」ことが性別変更の条件となっています。

「“子供がいないこと”という条件が、法律から外れるという動きが見えてこない。このまま待っていても変わらないと思い(申し立てをした)」(森村さやかさん)

 また、兵庫県尼崎市の会社員・大迫真実さん(51)も同様の申し立てをしました。特例法の対象者の範囲は来年見直される予定で、2人の訴えは、法律の見直し議論に一石を投じそうです。(13日16:20)