筋肉醜形恐怖

muscle dysmorphia(筋肉醜形恐怖)の論文も、ネット上で全文downloadできたので読んだ。
http://psy.psychiatryonline.org/cgi/reprint/38/6/548?ijkey=47a74e6bf82776ef36e133cc957c0280db35b835
適当にまとめる。


臨床的特徴
・ 本質的特徴は、「自分の筋肉は不十分だ」といつも悩んでいる事。
・ 平均以上に筋肉質になっても、その悩みは続く。
・ 自分の身体が人に見られないようにする。
・ 身体の線を隠そうと、だぶだぶの服を着たり、重ね着をする。
・ 海やプールや更衣室を避ける。
・ 人前に出る例外として、ボディビルコンテストがある。しかし、その場合は、十分に準備で最高の状態にしてはじめて体を見せられる。


・ 望みの身体になる為の生活スタイルにする。
・ 友だちづきあいや仕事をないがしろにしてでも、筋肉トレーニングをする。
・ この研究では、女子ボディビルダーの53%が、筋肉トレーニングをする為に、他の職場ではなく、ジムで働いていた。また、15%が、他人はトレーニングの邪魔なので一人でいることを好んだ。


・ 1日でもトレーニングを休むとすごく不安になる。
・ 高たんぱく、低脂肪、で計算したカロリーの食事をする。
・ この食事でないととても不安になる。
・ その為に、他人との食事を避ける。
・ 栄養補助食品や、筋肉増強剤購入費のため、生活を切り詰めている。
・ 健康に悪いとわかっていても、そういった薬を止められない。


・ 頻回に鏡を見る。
・ 頻回に体重を測る。
・ 何度も他の人に「筋肉ついてきた?」と確認する。


合併症など
・ 男性では13%が拒食症、13%が過食症の既往。
・ 女性では47%が摂食障害の既往。
・ 男性の40%が筋肉増強ステロイドの使用。
・ 女性の38%が筋肉増強ステロイドの使用。
・ なんらかの低脂肪作用のある薬物は女性は全員使用。


原因
摂食障害強迫性障害、感情障害との関連性。
・ 社会文化的要因。フィットネスブームがあおる。
ステロイドの入手の容易さ。「スーパーマンになれるのに、どうしてクラークケントに戻らないといけないのかい?」
ジェンダーの要因。
女性の多くは子供時代「おてんば」だった。
男性ボディビルダーには、「女性らしさ恐怖(femiphobia)」つまり男性以下(less of a man)になることへの恐怖があるとの指摘。