性同一性障害:患者2人の性転換手術承認 札幌医大倫理委

http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20060531&j=0045&k=200605312465
北海道新聞
医大性別適合手術を承認 性同一性障害の40歳代男性2人  2006/05/31 00:13
 札医大は三十日、倫理委員会を開き、心と体の性が一致しない性同一性障害GID)で同大付属病院に通院中の患者二人に対し、東北・北海道で初の性別適合手術を行うことを承認した。
 手術を認められたのは、札幌市内に住む四十一歳と四十二歳の男性。ともに男性としての体に違和感を感じ二○○三年から同病院に通院、GIDと診断された。二人はこれまで、《1》カウンセリングなどの精神療法《2》ホルモン療法と乳房切除《3》性別適合手術−に大別されるGID治療のうち、カウンセリングとホルモン療法を続けてきた。
 倫理委の當瀬規嗣委員長(医学部長)は「治療の進み具合と本人の強い希望」を承認の理由に挙げ、女性の体への性別適合手術実施が適当と判断したことを明らかにした。手術は二、三カ月以内に行われる見通し。
 GID治療は、日本精神神経学会ガイドラインに沿って札医大付属病院のほか、関東以南六カ所の医療機関で行われており、性別適合手術の実施は同病院が五カ所目となる。
 同病院は○三年十二月、道内初のGIDの専門外来を開設。今年五月末までの受診者は二百二十六人で、性別適合手術の承認を待っている患者は今回の二人を含めて三十人いるという。
 性同一性障害をめぐっては、○四年に特例法が施行され、《1》性別適合手術を受け生殖が不可能《2》現在、子供がいない−など一定の要件を満たせば戸籍上の性別変更も可能になっている。



http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20060531k0000m040165000c.html
毎日
性同一性障害:患者2人の性転換手術承認 札幌医大倫理委
 札幌医大倫理委員会(委員長・當瀬規嗣医学部長)は30日、自分の性に強い違和感を持つ性同一性障害の患者2人への性別適合(性転換)手術の実施を承認した。性転換手術の承認は埼玉医大や岡山大などに続き、国内5施設目で、北海道で初めて。2、3カ月後に手術を行う予定。
 患者はいずれも札幌市に住む41歳と42歳の男性。ともに幼いころから男の体であることに違和感を覚えた。03年に札幌医大で初診を受け、04年8月にホルモン療法が始まった。この日の倫理委で、患者の症状がこれまでの治療では十分改善せず、性転換後の家族らの支援体制も整っているなどとして手術実施を承認した。
 手術では精巣摘出などが行われ、費用は120万〜130万円。全額が自己負担になる。
 札幌医大では5月末現在、10〜40歳代の226人が治療中で、30人が手術を希望している。斎藤利和教授(神経精神科)は「患者の悩みは想像を絶するほどだ。道内で精神療法から手術まで一貫した治療が実施できる意義は大きい」と語った。
 一方、全国では約100人が手術を受けた。日本精神神経学会は今年1月、治療ガイドラインを改訂、倫理委の個別承認を得なくても手術を認める考えを示した。このため、當瀬委員長は「今後も患者ごとに手術実施の可否を慎重に審査するが、将来的には学会ガイドラインに準拠していく」と述べた。
【田中泰義】
毎日新聞 2006年5月31日 1時55分



読売・北海道
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hokkaido/news002.htm
医大性別適合手術へ…道内初承認
 札幌医大(札幌市)は30日、倫理委員会を開き、体の性と心の性が一致しない「性同一性障害GID)」の患者2人に対する、性器形成など性別適合(性転換)手術を承認した。道内で性別適合手術が実施されるのは初めて。
 手術を受けるのは、札幌在住の41歳と42歳の患者。2人とも体の性が男性であることに小さい時から違和感を抱き、2003年に同大付属病院を受診、カウンセリングなどの精神療法やホルモン剤の投与などの治療を受けてきた。しかし、違和感はなくならず、手術を希望したため、病院のGID委員会の承認を経て倫理委員会で審査が行われた。
 手術は2〜3か月以内に行われる。国内での性別適合手術は100例ほどあるが、道内では初めて。同大は全国5番目の実施施設になるという。
 倫理委員でGID委員長の斎藤利和教授は、「手術後も周囲が理解し、きちんとした社会的生活を送れることなども含め、慎重に審査をした」と経過について説明した。
 同病院のGIDクリニックは03年に開設され、これまで約230人が受診。手術の意思を確認した患者も30人ほどいるという。
(2006年5月31日 読売新聞)