新聞メディアにおける性同一性障害表象

新聞メディアにおける性同一性障害表象:加藤 慶, 技術マネジメント研究, Vol. 5, pp.55-65, (2006)
http://www.jstage.jst.go.jp/article/yokohamamot/5/1/55/_pdf/-char/ja/

>論文要旨
性同一性障害の表象はいかなるものであるのか。本稿は性同一性障害の表象を、新聞メディアを通じて明らかにすることに主題を置いている。分析対象とした時期は埼玉医科大学によって、性同一性障害に社会からの注目が集まった時期から、戸籍の性別訂正が可能となるまでである。


この加藤先生、爬虫類顔のかなりタイプなお兄様なのだが、論文はシャープ。(リンク先で全文読めますよ。)
前半部分は、朝日新聞と読売新聞の性同一性障害記事を追ったもので、個人的には懐かしい記事の数々。
で、後半が考察。
そういった記事は、結局、社会の「正しいセクシュアリティ」は揺らぐことはなく、性同一性障害の問題は、性同一性障害者が個人の問題として、性転換手術と戸籍訂正をすることで解決すべき問題であり、社会はそれに理解をもちましょう、という言説であると、看破する。
そして、そういった言説においては、結局は性同一性障害者は「他者」に過ぎないのではと。
疑いの眼差しを向けるべきは、そういった他者化させる「正しいセクシュアリティ」言説ではと。


名論文なり。