庄司陽子 「G.I.D.」第9話、第10話

またも立ち読みでの、うろ覚えのまま。
今日も軽く突っ込もうと思ったのだが。
こんな話だったので、そうもいかず。


主人公君の友達のFTM君、いよいよSRS。(おそらく、子宮卵巣と尿道延長。)
でもなぜか元気なく、こんなセリフ。
「最近何年も付き合っていた、彼女と別れた。
彼女はやはり子どもがほしいといって。
女性にはそういう本能があるんだよ。」
で、結局、術後、数日して、自動車に飛び込み自殺。


というわけで、うーむ・・・。
コメント困難なのだが。


庄司先生的には、手術だけで解決できない問題があるということを極端な形で示したかったのだろうが。


しかし、私としては、漫画家の意図とは関係なく、友達FTM君のセリフが気になった。
このセリフ、彼女のことを言ってるようで、実は無意識に自分のことを言っていたのではなかろうか。
本当はこの友達FTM君、自分の子どもが欲しかったのではなかろうか。
でも世間的gender roleに忠実であるあまり、子宮卵巣を取ってしまったのではないだろうか。
子どもを産めなくなってしまった自分に、絶望して自殺したのではなかろうか。


でもそういう心のうちを、オピニオンを出した精神科医は全然見抜けなかったのでは。
そう考えないと、このタイミングでの自殺はちょっとFTMとしては考えにくい。


ともあれ、漫画の世界とはいえ、彼の冥福を祈る。