第3回GID研究会記録

2001.3.31.東京ウィメンズプラザ
会長 木下勝之 埼玉医科大学総合医療センター産婦人科


プログラム
シンポジウム1「現行のガイドラインについて」
司会 
埼玉医科大学総合医療センター神経精神科 深津亮
亀田総合病院精神神経科 塚田攻

1.ガイドライン逸脱例 120例の分析と今後   
あべメンタルクリニック 阿部輝夫
2.ハリーベンジャミンの改訂版        
ノートルダム清心女子大学人間生活学部 東優子
3.岡山大学でのガイドラインの考え方 
岡山大学医学部精神科・神経科 佐藤俊樹
4.現行ガイドラインの概略について 
埼玉医科大学総合医療センター精神科 加沢鉄士
5.ガイドラインの課題:当事者はどう感じているか
TSとTGを支える人々の会 野宮亜紀 
「指定討論」岡山県岡山病院精神科 中島豊爾


一般演題1
座長 赤心堂病院泌尿器科 内島豊
1.性同一性障害研究治療に関する意識調査 
紘仁病院精神科性医学部 亀谷謙
2.岡山における「性同一性障害」の認知度 
岡山大学医学部産科・婦人科 高田雅代ほか
3.外来診療での性同一性障害例への対応について
赤心堂病院看護部 管みや子ほか


一般演題2
座長 東京慈恵医科大学精神医学講座 中村晃
4. 男性,女性,GID患者の脳梁の主軸方位の差の検定 
岐阜大学工学研究科電子情報工学専攻 河村洋子ほか
5.岡山大学における性同一性障害の治療の現状
岡山大学医学部神経精神医学教室 山本文子ほか
6.琉球大学医学部附属病院精神科神経科で受診した性同一性障害の5例
琉球大学医学部精神科神経科 山本和儀
7.性同一性障害患者における結婚例について  
岡山大学医学部神経精神医学講座 大谷恭平


一般演題3
座長 埼玉医科大学総合医療センター形成外科 井上義治
8.二つの遊離皮弁を用いる陰茎形成術    
埼玉医科大学総合医療センター形成外科 井上義治ほか
9.埼玉医科大学総合医療センターにおける性別再判定手術の入院期間と入院費用 
埼玉医科大学総合医療センター形成外科 大槻祐可子ほか
10.若年の性同一性障害患者の月経・二次性徴の抑制
岡山大学医学部産科・婦人科 中塚幹也ほか


シンポジウム
性同一性障害の人権を守るための取り組み」
司会 東京家庭裁判所医務室 針間克己
1.性同一性障害と法律問題                      
神戸学院大学法学部 大島俊之
2.救済医療の取り組みの現状とその将来について
岡山大学医学部精神科・神経科 黒田重利
3.社会的支援システムに関する当事者のニーズ 
FTM日本 虎井まさ衛
4.社会的問題の解決に向けて:国会議員の性同一性障害勉強会による取組み
衆議院議員 馳浩


プログラム以上。
以下、メモ、感想など。
出席者は、ほぼ満員の300名ほど。


前半のハイライトは、なんと言っても東の花道からの宮崎留美子先生の登場。
会場の本来の入り口とはなぜか反対側のドアから、しかも時間遅れて、午前中シンポジウムの最中に堂々のご入場。
宮崎留美子先生がご入場された瞬間、「無言のざわめき」というか、「手を上げないままのビッグウェーブ」というか、「磁場の歪み」というか、とにかく会場の次元空間が大きくねじれたことをそこにいた皆が感じた。
GID研究会の歴史に残る、瞬間、名場面であった。


後半は、チャンピョンベルトを奪い返さんと、馳浩登場。
力強い言葉を連発し、会場大いに盛り上がる。
特例法制定の礎となった貴重なシンポジウムであった。


あと午前中のシンポジウムで、初版のガイドラインから第2版への流れが決まったといえる。
ついでに、昼の理事会で、SRSの日本語訳として「性別適合手術」が決定され、その後広く使われることとなった。


そういった、いろんな意味において、今日の医療、法律の大筋の枠組を決めた、歴史的な会だったと思う。


また、性同一性障害の人権問題に尽力を尽くされた長瀬幸雄弁護士が、研究会前の2月21日に亡くなられていたので、皆で黙祷した。


個人的には、これまでの研究会で一番印象深い。


関連サイト
セクシュアルサイエンス。
http://www.medical-tribune.co.jp/ss/2001-5/ssMay02.htm
伊東聡様報告。
http://www.geocities.jp/stshi3edgid/rp_gid_3.htm