「Y染色体からみた日本人」を読む。
- 作者: 中堀豊
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2005/09/07
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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結論的には、11月25日のblogで紹介した論文内容と同じだが。
http://d.hatena.ne.jp/annojo/20051125/p2
一般書だけに、結論からの考察が、すごいところまで行って、妄想寸前で非常に面白い。
ポイントは。
・残るY染色体は、ごくわずか。大多数は、数代で滅んでいく。
・ 日本人のY染色体は大別すると、縄文系2種類、弥生系2種類。
・ 縄文系(もともと日本に):タイプⅠ(日本人の40から50%)、タイプⅡ(25から30%)
・ 弥生系(弥生時代、大陸から渡来):タイプⅢ(O2b),タイプⅣ(O2b1)、(2つあわせて30%)
(どうでもいいけど、O2b1はジェダイの名前のようだ。)
・ 山間部では縄文系が多い。
・ 都市部では、縄文系と弥生系が半々。
・ タイプⅡの人は精子濃度が薄い。
・ タイプⅠ,Ⅱ(縄文系)の人は、春に精子濃度が薄くなる。
・ タイプⅣ(O2b1)の人は、春に精子濃度が高く、秋に薄くなる。
・ このことで共存共栄?
P111
>このようにクローズアップされた一家系で、一回もY染色体が途絶えなかったなどということは確率的に言ってまずありえない。どこかでごまかしが行われているか、外からのY染色体の入り込みがあると思う。
全体としては、データは科学的で、考察は妄想的という興味深い本。
比較的平易に読めるので遺伝の知識がなくても楽しめる。