睾丸切除のみの戸籍変更

最近、複数のMTFから、
「睾丸切除のみでペニスが残存する場合の戸籍変更は可能か?」
という質問をされた。
ここで論じておく。


公式見解というか、法務省民事局ないしは参議院法制局関係者により書かれた文書の中には、このことについて論じたものは私の知る限りない。
また、口頭でも公の場で論じられたことはないと思う。
基本的には論じるまでもなく、無理だという判断があり、論じられていないと思われる。


わたしの個人的見解でも、ペニスが残存する場合は、
「他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えている」
とはいえないので、戸籍変更は無理だと思う。


ただ、ホルモン療法の影響や、睾丸切除の影響で、ペニスが著しく萎縮し、陰核と類似の外観を有する場合もないとは言えない。
ただその場合も、全体として女性外性器と類似しているといえるかというとかなり難しい。
しかしそれでも、睾丸がなく、ペニスの概観がクリトリス化してることをもって、
「他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えている」
と判断される可能性もなくもない。


結論的には、ほぼ無理だと思われるが、可能性ゼロとは言い切れないというところか。