ふたりにクギづけ 特別編

ふたりにクギづけ」が日本で公開されると聞いたとき、
「これで、結合双生児への関心が高まり、関連本として『私たちの仲間―結合双生児と多様な身体の未来』も売れるのでは」
とちょっと期待したのだが。
東京では、渋谷の映画館一箇所でしかやらないと聞き、残念であった。
マット・デイモン、シェール、メリル・ストリープなど、大物俳優も出る映画なのだが、日本では
「結合双生児ネタはやばいだろ」
みたいな判断が働いたらしい。
何たる不見識だろう。


で今年の1月、映画館に実際に見に行ったのだが、なんと、観客が私を含めて7人しかいなかった。
ますますショック。


しかしながら、今回DVDが出て、ビデオ屋でも借りれるようになったので、ぜひ、多数の人が見ることを期待したい。


ストーリーは、
「田舎でのんびり仲良く暮らしていた結合双生児。一人がハリウッドに行って、俳優になりたいと言い出したから、さあ、大変。二人はスターになれるのか。そして恋の行方は」
みたいな、
「こころ温まるヒューマンコメディ」
で、気楽に楽しめる。


しかしながら、結合双生児の恋愛とセックス、分離手術の是非、カミングアウトの葛藤、セルフエスティームと内面化されたフォビアなどの、押さえるべきところはきっちり押さえている。


あと、タイトル「ふたりにクギづけ」は、ビミョーに名訳か。
「Stuck on You」が原題なので、「君にクギづけ」が直訳なんだろうが。
「ふたりはクギづけ」だと、やはり問題であろうし。


というわけで、お勧めの一本。

私たちの仲間―結合双生児と多様な身体の未来

私たちの仲間―結合双生児と多様な身体の未来