和田秀樹先生のコメントへの感想


朝テレビを見ていたら、(爆笑問題が司会のやつ)、某事件について、議論中。
精神科医和田秀樹先生もコメント。
コメント要旨。

1. SMである。
2. 原因として、精神分析的に、母子関係がうんぬんかんぬん。
3. こういった性犯罪者は、精神療法的には治療は無理。
4. だから、抗男性ホルモンを投与すべき。


で、私の感想。
まず、原因論として、母子関係がどうたら、という説明をするのはいいのだが、それと「治療が無理」の論理的つながりが不明。
つまり、精神分析的に「母子関係がどうした」という説明をされる精神疾患・心理状態は多数あるのだが、その多くは「精神分析精神分析的精神療法」をすることで、治ると、彼らは主張する。
だのに、「母子関係に由来する」性犯罪に限っては治らない、というのは筋が通らない。


論理的に考えれば、以下のいずれかと思うが。
1. 性犯罪が「母子関係に由来する」という説明がおかしくて、本当は違う原因。
2. 「母子関係に由来する」性犯罪なら、精神分析で治る。
3. そもそも、精神分析では何も治らない。


もうひとつ、某事件が、SMであり、性犯罪というのにもちょっと疑問。
「調教」「監禁」「首輪」というキーワードは確かに並ぶが。
それで「SMだ」というのは、素人の発想。
この事件、性的興奮が目的かどうかは定かではない。
むしろ対等な対人関係を結べないが、依存欲求の強い人間が、「支配」「服従」という人間関係を無理やり作ることで、依存対象を作り上げ、内的不安に対処していたようにも思える。


このことに関連するのだが、抗男性ホルモンが効くかどうかも疑問。
性欲が動機でないならば、あまり意味はないのでは。
まあ、攻撃性などは減るかもしれないが。
それなら、他の暴力的犯罪者にも、抗男性ホルモンを使えという議論になるべきかと。


最後、和田秀樹先生ではないが、高田万由子の「なぜ家に電話しなかったのか信じられない」と、女性被害者の落ち度を責めるような発言には驚いた。


コンサバお嬢様のキャラ設定としては、ある意味完璧なコメントではあるが。