優生保護法が犯した罪

優生保護法が犯した罪―子どもをもつことを奪われた人々の証言

優生保護法が犯した罪―子どもをもつことを奪われた人々の証言

優生保護法が犯した罪」を読む。


知ってるようで何も知らなかった。
一番驚いたのは、1953年に厚生省が各都道府県知事あてに通達し、1996年まで効力を有したガイドライン優生保護法の施行について」の中身。
その「強制の方法」として


p264>「身体の拘束、麻酔薬施用又はぎもう欺罔等の手段を用いることも許される場合があると解しても差し支えないこと」


と書かれてあった。
つまり、優生手術のやり方として、本人が抵抗できないようにしばったり、眠らせたり、だましても(おなかの痛みを取る手術など適当なうそをつく)よかったのである。


そのほか、実際に手術を受けさせられた当事者の体験談が続き、痛ましい。
ハンセン病者においては、療養所内で結婚のためには、断種を受けなければいけなかったという。
だが、それは「本人の同意」で行われたことになっているそうだ。
実質は、結婚するためにやむなく断種手術を受けていたにもかかわらず。


実際に、この本で生の体験談を聞くと、優生保護法の犯した罪の重さが良く分かる。