女人禁制の大峰山で女性ら3人が登山強行


新聞記事から推測するに、結局、性同一性障害の人は入山せず、「女性ら3人」(女性1人男性2人または女性2人男性1人?)が入山したと言う事か?


あと、読売新聞では
>「性転換者はどうなるのか」
とあるが、いまどき「性転換者」と言う言葉を本当に使ったのだろうか疑問。


毎日新聞
>だが、大峯山寺への行者の世話などで生計を立ててきた洞川地区の反対によって禁制が保たれてきた。
>村女性の会洞川支部長の角谷トミ子さん(70)は「(女人禁制は)住民が必死で守ってきた伝統。女性差別なら、私たちがまず反対する」と話す。


からすると、地元民にとって、女人禁制はidentityかつ、経済基盤、ということか。


Blogで色々コメント有るようだが、興味深いと思った2つを紹介。


徒歩ガイド坂東観音霊
http://yajikita-junrei.cocolog-nifty.com/blog/2005/11/post_c453.html
>この禁制が撤廃される日はいつか来ると考えてますが その時は長年歴史と伝統を支えて来た女性信者の要望によって最初に登られるべきだと考えます
>女性の初登山は女性信者さんを先頭に立てて登りますという度量があってこそ世論の支持を得られると思います


月山で2時間もたない男とはつきあうな!
http://everest.cocolog-nifty.com/gassan/2005/11/post_864d.html
> 建設業に身をおき経験してきたことは、地元住民の意向を無視して何らかの行動を起こすのは、将来にわたり必ず禍根を残すことになります。
>合意形成という手段をとらず、性同一性障害者や同性愛者をひきつれて登山を計画するという、その手法にむしろ(悪い意味で)驚きを覚えたのでした。


以下新聞記事貼り付け
2005年11月4日 読売新聞:奈良
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nara/news002.htm
大峰山登山口にらみ合い 団体と地元 女人禁制議論物別れ
 修験道行場で知られる天川村大峰山の「女人禁制」撤廃を求めて、登山を計画していた女性らの市民グループ大峰山に登ろう実行委員会」のメンバー約30人が3日、登山口に到着、女性の入山を拒む地元住民らと話し合ったが、議論は物別れに終わった。メンバーの大半は登山を断念したが、数人が登山を決行。地元側も制止しなかったため、混乱はなかった。
 同会のメンバーはこの日朝、大峯山寺への参道に当たる同村洞川の結界門前に集合、登山を始めようとしたが、事前に計画を知っていた地元の住民ら約50人が、「山の伝統を説明したい」と参道をふさぎ、登山を取りやめるよう説得にあたった。
 住民側は「我々は山の伝統を守らなければならず、心情をわかってほしい」と理解を求め、地元に住む女性も「お願いです。登らないで下さい」と訴えた。
 これに対し、グループ側は「性転換者はどうなるのか」「女人禁制についての思いを聞きたい」などと質問を続けたが、話し合いは平行線のまま。住民側が「聞き入れてくれない人の入山は拒まない」と引き上げたため、グループ側も「今後も話し合いを継続する」として納得、数人が結界門から入山したが、ほとんどはその場で解散した。
 地元・洞川区の桝谷源逸区長は「我々の立場、心情を理解していただけたものと思っている。数人が山に入られたのは非常に残念」と複雑な表情だった。
(2005年11月4日 読売新聞)


2005年11月04日朝日新聞関西
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200511040017.html
女人禁制の大峰山で女性ら3人が登山強行 
 女人禁制が1300年間続く修験道の聖地、奈良県天川村大峰山への登山を目指すと公表していた性同一性障害を持つ人ら35人のグループが3日、現地を訪れた。女性の立ち入りを禁じる結界門(けっかいもん)の手前で地元住民約100人と議論した結果、改めて話し合いの場を設けることで合意して解散したが、その後にメンバーの女性ら3人が登山を強行した。
 住民側が結界門前で待ち構える中、午前9時50分ごろにグループが到着。地元・洞川(どろがわ)地区の桝谷源逸(げんいち)区長(59)は「先人から受け継いだ伝統や生活がある。地元の心情を理解してほしい」と登山中止を求めた。グループ側は今後も話し合いを続けてほしいと要望した。しかし、午後0時半ごろ、3人が結界門をくぐって山に入った。その1人は「問題提起をしたかった」と説明した。


毎日新聞 2005年11月4日

http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/nara/news/20051104ddlk29040236000c.html
天川村大峰山:伝統?差別?ギャップ大きく 「女人禁制」入山巡る話し合い /奈良
 “伝統の保持”か“女性差別”か−−。3日、性同一性障害者らでつくる「『大峰山』に登ろう実行委員会」の約30人が、天川村大峰山(山上ケ岳)で女人禁制の解除を求めた。住民側は質問書を受け取り、今後も話し合いに応じることになったが、1300年間続く慣習を巡る双方のギャップは、容易には埋まりそうもない。
 禁制の解除は、女人禁制を封建的慣行とみた明治政府が明治5(1872)年に廃止を布告して以来、何度も議論になってきた。だが、大峯山寺への行者の世話などで生計を立ててきた洞川地区の反対によって禁制が保たれてきた。
 地元では女性の間にも解除反対論が根強い。この日も、入山をやめさせようと集まった約100人のうち30人が女性だった。村女性の会洞川支部長の角谷トミ子さん(70)は「(女人禁制は)住民が必死で守ってきた伝統。女性差別なら、私たちがまず反対する」と話す。実行委メンバーには「なぜ地元の女性がこれほど禁制を守るのか」と言う人もいた。【栗栖健】